自民党憲法改正草案(平成24年4月27日)の要点を整理してみた

池上彰さんの「池上彰の憲法入門」を読んで、自民党の憲法改正案を知っておかなければと思い、早速、改正案を読んで、自分なりに気になった点を整理してみた。

自民党は今後も政権を長く務めるだろうし、彼らが目指す世界は限りなくこの草案の中に盛り込まれているはずなので、読んだことの無い人も是非読んでおいたほうがいいと思う。

自民党憲法改正草案(平成24.4.27)

・前文:伝統や歴史があること、それらへの誇りや尊重と継承が憲法の目的として新たに強調される。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないように」というくだりは削除されている。

・第1条:天皇は単なる象徴ではなく、日本の「元首」だと明記される

・第3条:国旗と国歌が明確になり、それへの「尊重」が国民に求められる

・第9条の1、2項:自衛権の行使は認められる。

・第9条の2:自衛隊は国防軍に変わる。

・第9条の2、5項:国防軍は独自の「裁判所」を持つ。

・第9条の3:領土の保全は国の義務となる

・第12条:自由と権利には公益に反しない「責任と義務が伴う」ことを自覚した行動が国民に求められる

・第21条の2:「公益」を害する活動、結社は表現の自由の対象外となり、禁止される

・第24条:「家族は互いに助け合うこと」が国民の責務になる

・第25条の2:国が「良好な環境」を提供するために「国民が協力すること」が義務になる

・第25条の3:在外国民の保護に努めることは国の義務になる

・第56条:議員の1/3の出席で議決ができる(↔過半数)

・第63条:大臣は議会から答弁を求められても欠席して良い場合がある

・第83条の2:「健全」な財政を維持することは国の責務として明記される。

・第92条の2:地方自治の公平な負担は住民の「義務」になる

・第92条の3:国と地方自治体は「協力しあうこと」が求められる

・第99条:「緊急事態」が宣言されたときには国民は国の指示に従うことが必要になる

・第100条:憲法改正は両議院の「過半数」の賛成で国民投票にかけることができ、「投票者の過半数」の賛成で成立する

・第102条:「憲法を尊重」することが国民の義務になる

良いか悪いかは実際の運用に依ることになるが、全体的に伝統的と言われる価値観の尊重や、国が進めることへの協力を地方や国民に対して求める項目が増えている。

また、戦争を引き起こした当事者だったのでその反省の中から憲法を作った、という考え方は、消えてしまったように見えなくもない。

追加されたり修正された理由がよく分からない条項もいくつかある。突然現れた必要性の低そうな条文で、背後にある各省の思惑を感じるものもある。

中身についてはこれを機に政治の流れも見ながら考えてみたいと思う。

ただ、自民党がいろいろな人の意見を取りまとる困難な作業を完遂し、具体的な改正案を作ったこと自体は、政治的リスクを踏まえてもやるという明確な意図を感じるし、それが政治だと思うので、素晴らしいことだと思う。

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