広告モデルの違い:FacebookとGoogle

最近仕事の関係で広告業界の情報を大量にインプットし続けている。

モバイル領域の拡大とともに膨大な広告テクノロジーとスタートアップが新しく出て来ていて、既に業界関係者ですらその1つ1つの違いを理解するのが困難になってきていると思うが、ずっとトレンドを追っていると、結局、一部のニッチ領域を除き、市場自体は二つの企業によってその大半が専有されていくのだろうという、ある意味の諦め感というか、ゴールが見えてしまっているような感覚が生まれている。言うまでもなく、その2社は、GoogleとFacebook。

ただ、この2社の広告配信技術は、根本的に違う軸に基づくものなので、「どちらが覇者になるのか?」という議論が米国メディアでもよく取り上げられるが、いろいろニュース情報を見ているとどうやら行き着く先はそういうものでもなさそうだということで、両社の広告の特性が何なのか、備忘録を兼ねて整理してみた。

①広告配信のベースになるもの

Googleはクローラーが取得するテキスト情報とメタ情報。

Facebookはソーシャルグラフとユーザー属性。つまり人情報。

②広告配信先

Googleは静的な情報(ストック)に対して配信する。

Facebookは人(フロー)に対して配信する。

③広告配信方法

Googleは、Adsenseもあるが、基本的には能動的な情報検索アクションに対するレスポンスとしての配信である。

一方、Facebookは、属性とソーシャルグラフを元にしたプッシュ配信であり、ユーザから見れば受動的行動である。

 

細かな技術革新や買収、周辺領域サービスとの連携拡大などによって、2社の広告配信技術はどんどん変わっていくであろうけども、ベースがそれぞれ検索エンジンとソーシャルネットワークである以上、広告配信の発展の道も、基本概念は上記から殆ど変わらないのではないかと思う。

と捉えると、この2社の技術は、そのベースの発想や適性が異なるので、なかなか正面からぶつかることはないし、インターネット上に今後も膨大な数のサービスやサイトが生まれる中で、どちらかの技術で広告市場がdominateされるという事もなく、それぞれが、ストックとフローという、ネットの情報流通の中で絶対になくならない要素と密接にかかわり合った基幹広告インフラとして成長していく気がする。つまり、それぞれの得意領域で圧倒的に高い広告効果を出したとしても、相手の得意領域の中では、お互いになかなか勝てそうにない、ということ。

それにしても、今年のFacebookのモバイル向け広告ビジネスは段違いの成長となりそう。他の全ての広告テクノロジー会社の努力が霞んで見えるような成長を見せるのではないかという予感がしている。

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