もう何年も海外にいっていた父が、ついに帰ってくると言う。

もう年も取ったし、何年も前から帰国を勧めていたが、「まだやらなあかんことがあるんよ」「俺じゃないとできんからな」と言い続けてなかなか帰国しようとはしなかった。

それが、今年中に帰ると言う。

 

海外では事業の立ち上げを担当していたが、周囲の理解もなかなか得られない中、一人で各地を転々としながら事務所を立ち上げ続けていた。

帰国するのは海外がそろそろしんどいというのもあるが、現地で任せられる人材が育ったので帰れるのだと言う。

 

「誰かに任せられる状況を作る」ことは、あらゆる仕事の究極のゴールであり、いちばん難しいことでもあると思っている。

自分自身、海外事業を担当していたことがある身として、海外でのチーム立ち上げは、常に現地では全てを自分でも分からない中で暗中模索でやる必要があり、一方では本社サイドからは現場を理解しきれないので、やはりどうしても「なぜこれしきのことが出来ないのか?」という不理解、あるいは放置、うまくいかないことがあれば常に厄介もの扱いされる、という状況が避けられない。相当良い状況でも、「相談する相手がいない」というシチュエーションが発生するので、精神面での気持ちの保ち方が特に大変なことだと認識している。

 

そんな状況の中、父親が仕事をやりきり、帰国しようと思える状況にまで持ってきたことを、自分は誇りに思う。

プライベートでもとても苦しい時期があり、きっと絶望的な状況を見たと思う。

そんな中、心にいろいろな思いを抱えながらも、何年もかけて1つの仕事をやりきったのだろうということを、この年になって自分もやっと理解してあげることが出来る。

 

おめでとう、そしてお疲れ様、と言いたい。

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